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  第二話「診断・治療は専門医で!」


 医学会では、医師の専門分野を以下のように分類している。
内科、小児科、外科(脳神経外科を含む)、整形外科、形成外科、産婦人科、皮膚科・泌尿器科、眼科、精神科、耳鼻咽喉科。
私は慶應義塾大学医学部を卒業後、慶應義塾大学耳鼻咽喉科教室に入局し、耳鼻咽喉科の医療を学び、医学博士号を取得した後、耳鼻咽喉科医一筋で診療に励んで来た。
 
 
当院では、院長である私と、最新の耳鼻咽喉科医療を学んだ長女(副院長)、及び同様に耳鼻咽喉科専門医である次女との3人連携で、きめ細かい耳鼻咽喉科専門医療を行っている。又、耳鼻咽喉科領域の癌の専門医である東海大学医学部付属病院の濱野講師が毎週木曜日午後診療にあたっている。
矢野耳鼻咽喉科の患者さんの99%が、“耳鼻ノド”の病気であるのは当然で、私共は自信をもって毎日の治療に専念している。
然し、内科的、小児科的、脳神経外科的、整形外科的、皮膚科的、精神科的の病気の疑いある患者さんも混在している。それを見落とさないためには、医師の経験、注意深い観察力、慎重さが必要だ。
特に、幼小児の病気は急変することがあり、小児科専門医との緊密な連携が必要なのは当然だ。
耳鼻咽喉科の分野だけでも、医療器具の急速な発達による診断・治療の複雑化は著しく、自分の専門分野のみの医療に専念することが、良心的医療だと私は確信する。
藤沢市は、医師が一人しかいない無医村でも、孤島でもない。その道の優秀な専門医が多数存在している。
“病気はその専門医で”が、私の信念だ。その意味で、最近言われている“家庭医”は、今の日本にはなじまないような気がする。
昔の人はうまいことを言った。
 「餅屋は餅屋!」。
少し卑属的な表現だが、医療界にも当てはまる名言だと思う。
           2010年1月1日
矢野耳鼻咽喉科 院長 医学博士  矢野潮