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第28話「杉花粉症のレーザー治療」
 今や、国民病になっている杉花粉症の治療には、おもに薬物療法(内服薬・鼻内噴霧薬(フンムヤク)・点眼薬)が行われていますが、症状の強い患者さんには必ずしも満足な効果がえられるとは限りません。そのため、薬物療法にかわる治療として二つの治療方法が考案されました。
一番簡単な方法は、50%のトリクロール酢酸という薬を花粉症の始まる一ヶ月程前に鼻の粘膜に塗る方法です。5分もかからない簡単な治療ですが、しばらくの間、薬がしみて鼻が痛いということが大きな欠点です。又、薬の刺激で数週間鼻の下がただれることがあります。そして効果は一年ほどで、杉花粉症の予防には毎年行わなければなりません。数年程前までは当院でも盛んに行っていました。
然し、最近ではレーザー治療がこれにとって代わりました。医学の大進歩です。当院では最新式のレーザー機器を備え、レーザーの専門医を招聘して花粉症の予防防治療に力を入れています。

トリクロール酢酸塗布よりも、効果が長く続き無痛であることがはるかに優れています。特に鼻の病的アレルギ性変化が写真のように明らかに改善します。
然し、当院で杉花粉が飛散する前に予防的にレーザー治療を行える患者さんの数には限りがあり、レーザー治療をご希望の患者さん全員に施行できないのが残念です。なるべく早い時期に一度診察をして予約して頂く事が必要です。杉花粉症に苦しむ受験性、妊娠している方(内服薬に制限があるので)を優先して行いたいと思っています。
花粉症のレーザー治療につきましては、トップ頁の鼻の病気の所に記載されています「杉花粉症のレーザー治療」・「レーザー治療を受けられた方へ」をご参照下さい。
尚、花粉症にはレーザー治療・薬剤の併用がより効果的なこともあります。
鼻内噴霧薬、点眼薬、内服薬をご紹介します。
 
 




使用するには医師の処方箋が必要です。
副腎皮質ホルモンの注射は危険です。絶対におやめ下さい。
            2012年2月1日
 矢野耳鼻咽喉科院長  医学博士 矢野 潮