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第61話「藤沢ドクターズ
(藤沢市医師会ゴルフ部)

 藤沢市医師会には、俳句会、社交ダンス部、将棋クラブ会、囲碁部会、テニス部、ボウリング部、釣り部、ゴルフ部(藤沢ドクターズ)等の同好会がある。
私が所属しているゴルフ部は会員数約50人の大所帯で、生誕約60年を迎える最も歴史の深い同好会だ。
私は20年間、その会長(二代目)をつとめ、約10年前、長谷章先生(長谷内科の院長)に、その役を譲った。私が会長を降りた理由は実に明快で、私に白髪が目立つようになったからだ。ゴルフ部は毎月一回、日曜日(祭日も含む)に近隣のゴルフ場でコンペを行っている。ドクターズは実に仲の良い集団で、ゴルフを楽しむと同時に、プレイ後の懇親会を重要視している。その懇親会にはで各科の医師が一堂にそろい胸襟を開いて語り合う。医師会の情報、各科の専門知識、医学書には書かれていない経験談を披露しあえる情報交換会としての役割は重要だ。
さて、私はドクターズに4~5年間、無欠席で連続出場するという快挙を続けていたが、本年の3月に股関節の手術を受けたために、その記録は頓挫した。半年の休養後、9月から復帰した。その際にゴルフ部から、復帰祝いとして頂いたのが愛犬プリンの置物だ。

私        長谷会長 
 私が、あくまでも本気で接してきたのは診療だけで、他の事は片手間のひまつぶしだった、と言えばそれまでだがドクターズを通じて医師会員の交流の輪を広げる事には真剣だった。交流の場を広げるといっても大それた事をするわけではない。一例をあげると、昼食でサンマをたべた同伴競技者(新規加入の内科医)が、小骨をのどに引っかけた。ゴルフ場から私のクリニックに直行し直ぐにその骨をとった。その内科医とは以後、親交が深くなり診療の面で緊密に連携しあい互いの医療内容を充実させている。
サンマで思い出したが、あるゴルフ場で知り合った真打ちの落語家の声ガレを私が治療した事がある。数回の通院で彼の声ガレは完治した。通院最後の日、待合室の患者さんの前で、“目黒のサンマ”という古典落語を長講一席。そして、素晴らしい“落ち”迄つけて下さった。

 


追記;目黒のサンマ
江戸時代、殿様が目黒(当時は田舎)付近を馬駈けしている途中、庶民的に調理したサンマに舌鼓をうったという古典落語
         2014年11月1日
矢野耳鼻咽喉科院長  医学博士 矢野 潮