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第107話「私とゴルフ」

ジャック・ニクラスと
 37才の頃、藤沢医師会の大先輩方のすすめで、藤沢医師会ゴルフ部に入会した。
学生時代から球技が好きだった私は、直ぐにゴルフのとりこになった。37才の頃だ。
開業当初から私のクリニックは多忙を極めた。ゴルフの練習などする時間はなかった。只、医師会ゴルフ部の先輩達から、ゴルフの本質を指導していただいた。
数年後、ふとした縁で、神奈川県のゴルフ場のメンバーになった。
私は元来、人見知りをしない性格なので、そのクラブの会員の輪の中にスムースに溶けこむ事ができた。当時、親しくなったグループの中に、医師は一人もいなかった。そこで知り合った友人から、「矢野さんはドクターらしくない」、と言われたことをはっきりと覚えている。
それが、褒め言葉だったのかどうか私は知らない。
そのクラブでは、80才になっても若い頃と同じペースでプレイをしているのは、20分の一だそうだ。私は、それに挑戦するつもりだ。
そして、私がそのクラブでのプレイを楽しんでいる大きな理由は、そのコース所属のプロ(トーナメントプロ)との出会いだ。今、彼自身はトーナメントに出ていないが、“壊れたプロ”を直す事にかけては、日本一だそうだ。
 
アマチュアには極めてユニークなレッスンをする。例えば、――
そんな打ち方では、ゴルフクラブを新しくしても同じだから、
新しいクラブを買うのは無駄です。
今のスイングは、尻尾をつかんで犬を振ったようなものだ。犬が尻尾をふるように、クラブを振りなさい。
頭の中で分かっていても体で出来ないのがゴルフ。
そして、満足出来るスイングが生涯できないのがゴルフ。
うんちくのある言葉ではないか。




       2018年9月1日
矢野耳鼻咽喉科院長 医学博士 矢野 潮