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第122話「愛犬プリン」

 愛犬プリンは20歳、人間年齢なら100歳。私の人生の大半を一緒に過ごしている。
我が家は妻、娘二人との四人家族。そこに、プリンが入ってきた。犬は一家の中に、自分より下位に一人置くという。それが私のようだ。その証拠に、プリンは食事中、私に見られていると思うと、食べるのをやめて横を向く。
 

 私が横を向くと、又、食べはじめる。私をからかっているようだ。
然しプリンに助けられ事がある。数年前、出先で脚が痛くなった。痛い左脚を引きずりながら数時間かけて帰宅。あまりの痛さに出迎えたプリンを横抱きにしたまま、自室のベットに倒れこんだ。
ハット気が付くと、プリンの左脚が無く、プリンが3本脚。そして私の脚痛がなおっていた。ギョットしてベットにいるプリンを見ると脚が4本ある。プリンが助けてくれたのだ。



   

         2020年5月1日
矢野耳鼻咽喉科院長医学博士 矢野 潮