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第124話「喫煙」

 最近、ある有名タレントさんが亡くなった。あまりテレビを見ないので、そのタレントさんの生前のことを知らなかった。晩年のインタビューを見て、彼がなかなかの人物である事を知った。惜しむらくは彼は、一日40~50本のヘビースモーカーだったとのこと。もし、彼が禁煙者であったら、5年、10年長生きしたかも知れない。惜しい事だ。
私も未成年の頃、喫煙者だった。電車の中で煙草を吸い、知らない人に𠮟責されたことがある。19歳の時に、電車のホームで喫煙している所を、刑事さんに見つかり、身分証明の提示を求められた。未成年者の喫煙を咎められ、学校、両親に通告すると言われたが、学校も、父親も存じていますと口答えしたえら、“何たる学校、両親だ”と、どなられた。事実、生理学の実習では、喫煙は実験室の外でするようにと言われていた。生理学の教授に、先生が許可したから、煙草を吸うようになったんです。刑事が学校、両親に連絡すると言っていたが、その後の音沙汰はなかった。

 

私は成人後、自分の意志で禁煙者になった。
煙草20本 500円 一月15000円。年間18万円が煙に消え、肺にニコチンが付着する。
喫煙者が悪なのではなく、煙草が悪なのだ。
あなたは、それでも煙草を吸いますか?




         2020年7月1日
矢野耳鼻咽喉科院長医学博士 矢野 潮